KENZOさんが教えてくれたこと
昨日投稿した写真。
正解は、真ん中〜!
ケンゾーさんの隣が私です。
これは、ケンゾーさんの顔がプリントしてあるハンカチを顔に巻いて、楽屋でおどけて撮った写真ですね。
このショーは、ケンゾーさんがパリで初めてショーをしてから20周年を記念して、パリの美術学校ボザールの広い敷地を使って大々的に行われました。
ショーの後はパーティ!
フォークロアが大好きなケンゾーさんらしく、敷地のあちらこちらで、まるでモスクみたいな場所があったり、楽団や大道芸があったり、それはそれは賑やかで人が溢れかえって。
みんなに好かれているケンゾーさんは、カール.ラガーフェルドやシャンタル.トーマスなど仲良しのデザイナー達も駆けつけていました。




たくさんのデザイナーと仕事をさせていただた私にとって、ケンゾーさんは特別なデザイナーの一人です。
それは、ショーの楽しさを教えてくれたデザイナーは、間違いなくケンゾーさんだからなのです。
シロウトからジバンシイのイメージマヌカンに選ばれ、パリのオートクチュールコレクションがデビューだった私。
パリでの最終オーディションの前に、たまたまKENZOが日本で大きなショーをしていました。
東京は国技館。
大阪は大阪城ホールだったかな。
そのショーを演出家の方から勉強のために観るよう言われたのです。
それは、私にとって多分初めて観た本格的なファッションショー。
今は、ファッションショーといえば、だだモデルがランウェイをグルグル無表情で歩くのが主流。
ないしは、客席に手を振るようなナントカコレクション。
しかし、当時はもっとモデルが服を表現することを求められていたと思います。
その中でもケンゾーさんのショーは特別で、服がシーンごとにストーリーがあるかのように演出されるエーターティメント的なものでした。
鮮やかな色が溢れるその舞台は、夢のような世界。
モデルになってから数年、ケンゾーさんが故郷の姫路でショーをすることになり、私もそのショーに出させていたきました。
それが、ケンゾーさんとの最初のお仕事。
夜、白く浮かび上がる姫路城をバックに野外で行われるショー。
単調に真っ直ぐ歩くだけでなく、演出たっぷりのショーは、何度か東京でリハーサルをして大勢のモデルとスタッフで姫路に乗り込みました。
そのショーを体験した者にとって、それは伝説となった素晴らしいショーでした。
このときの経験が、ショーが楽しいこと、ショーを楽しむということを私に教えてくれたのです。
ケンゾーさんは、とても不思議な方で、とってもシャイで、穏やかで、笑顔が絶えない方。
みんなが「ケンちゃんのためにガンバロー!」って思えちゃうようなデザイナーとしては、稀有な存在だと思います。
20周年のショーの後、出演した日本人モデルと演出の方々でケンゾーさんのご自宅にご招待いただき、美味しいタイ料理をいたのもいい思い出です。
昨年、ケンゾーさんを囲む会があったのだけど、どうしても都合がつかず、お目にかかれなかったのが残念。
でも、一度は引退したケンゾーさんがまたお仕事を始められたのはとっても嬉しい。
ということで、今回はケンゾーさんとの思い出を書いてみました〜。