「輝く50代にしよう」

40代も終わりに近づいた頃、人生のまた新たな始まりとして50代に期待を抱いていました。けれど、49歳の頃、急に思いもよらない体調の変化に戸惑ってしまったのです。

 

仕事上、人前に出ることも多く、そんな時はそれなりにキレイにしようと努めるけれど、もともと普段の私は化粧をすることもなく、キレイに“一生懸命な人”ではありませんでした。それが、さらに何もしたくない、新しい服ひとつ買いたいと思わなくなってしまったのです。

 

そんな、おそらく私にとっては人生最大のピンチの中で、ある時、なぜかふと思いました。「どうぜ、病人ならキレイな病人になろう」と。その時に思い出したのが、仕事で出会った女性達でした。

 

モデルをやめて結婚し、金沢でブライダルサロンを開いていた私は、インナーメーカーのワコールさんのドレスブランドをプロデュ―スさせていただいていました。それがご縁で、ワコールさんのイベントをさせていただくことがあります。「変身イベント」といって、私達の年代のボディに合うスムージングインナーを身につけて、アウターも変えてお客様に変身していただくという企画です。

 

モデルさんになっていただく女性は40代~70代とさまざまですが、変身して現れた女性は、みなさん本当に嬉しそうなのです。下着の効果だけでなく、姿勢までもが自信に溢れていて、表情が生き生きしている。その姿を見たときに「女性はいくつになってもキレイが嬉しいんだ」ということを実感しました。

 

どうにもこうにも気持ちもカラダも前向きになれなかった時、それでも少しでもキレイにしたら、きっと気持ちも変わるだろうし、免疫力だって上がるはず、と思えたのです。外観は、内面に大きく影響を及ぼし、その内面は体調をも左右します。そして、内面が変われば行動も変わる。

 

では、外観とはなんなんだろう?と考えた時、わかりやすく言えばそれは「服の上と服の中」。つまり顔とボディラインではないかと。

顔はほんの少しメイクスキルを上げて、ボディラインは下着を上手に使いこなせば、きっと変身モデルが見せてくれたような「私まだちょっとイケるかも」という気持ちになれるのではないかと考えました。そこで、“もう一度アゲる”という意味を込めて、メイクや下着などを用いて外観からアプローチし、いまいちどポジティブになることを‟メイクリアップ”と名付けました。

 

それは、年齢にあらがって必死になってキレイを追い求めることではありません。

「私、まだイケるかも」と、ほんの少し自信を取り戻すことが、今のあるがままの自分を受け入れることに繋がると思うのです。

若い頃は、キレイになりたいがためにキレイにする。

でも、私達の年齢になれば、キレイは前向きな気持ちであるためのひとつの手段なのです。

ひとりでも多くの女性が身もココロも素敵に年齢を重ねていけるようにメイクリアップを喚起していきたいと考えています。

 

 

感性工学との出会い

 

メイクリアップを発信していきたいと考えていた時、「笑顔学」との出会いがありました。ちょうど娘が早稲田大学に入学し、入学式で訪れたキャンパスに親しみを感じていたこともあったと思います。たまたま新聞の広告で見た早稲田大学のオープンキャンパスで開催される「笑顔学」というタイトルを見たときに仕事にも役立ちそうだし、あのキャンパスに通ってみたいなと思ったのです。

 

現れたのは「さすが笑顔学の先生」と思えるような、笑みをたたえた早稲田大学人間科学部宮崎研究室の菅原先生でした。その授業は、科学的に解明された笑顔の持つ効果であったり、なぜ笑顔が人を惹きつけるのか、といったことを学べて、毎回とても楽しい授業でした。その授業の中で、私は初めて“感性工学”という言葉を知りました。

 

例えば、ペットボトル入りのお茶を作るとします。どういった形にしたら持ちやすいか、どういったキャップなら開けやすいかなど、人間工学は人にとって、どうすれば便利なのか、安全なのかということを考えていきます。でも、それだけではダメですよね。肝心のどんなお茶を入れたらいいのか、というところは感性工学の出番だと思います。

 

「そんなの人それぞれでしょ」と思えるのですが、でも商品を作る場合、一人でも多くの人がおいしいと思ってくれないと売れないですよね。

すると「みんながおいしいと感じるお茶はどういったものなのだろう?」を考える必要があります。そもそもおいしいお茶って何でしょう??甘み?渋み?すっきり?コク?その、人それぞれ違う“感じるコト”をどうやって示すの?そんな“おいしい、嬉しい、楽しい、ワクワクする”など、感性といえる目に見えない部分を可視化するのが感性工学なのです。

 

もともと感性工学は信州大学の繊維学部から生まれたと聞いています。衣類として使われる繊維は“気持ちいい”“肌触りがいい”といいったものが求められてきたからなのでしょう。

 

そんな話を聞いた時に、「じゃあ、メイクリアップしたら女性が前向きな気持ちになることも感性工学という観点から可視化することって出来るのかしら?」と思った私は、菅原先生にそんなことは可能なのか聞いてみました。すると、菅原先生から出た言葉は、私がまったく予期せぬものだったのです。「それはおもしろい!是非、一緒に研究しましょう!!」「しましょう?って、、、(やってくれるのではなく)私が研究するんですか??」そんなさわやかに微笑む菅原先生の一言からメイクリアップ研究は始まりました。

MAKE REUP 研究発表

2015年3月28日

「メイクリアップの心理的効果と印象変化について」

 於:第10回日本感性工学会春季大会    

2016年 5月 

「メイクリアップの心理的効果と印象変化について」    

 於:感性工学学会誌  第14巻1号「美と健康」掲載

           

2018年 9月4日

「女性の姿勢と体型美に関する意識」

   於: 第20回日本感性工学会大会

           

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